なぜ危険地取材するのか、ジャーナリストらが議論 2016年1月15日

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なぜ危険地取材するのか、ジャーナリストらが議論

ジャーナリストの後藤健二さんらが過激派組織「イスラム国」に殺害された事件から1年になるのを前に、ジャーナリストたちが戦争など危険な地域での取材をすることについて議論しました。

「亡くなったジャーナリストを英雄化、聖人化、美化していく、それだけではいけないのではないか」(パレスチナ取材が長い土井敏邦さん)

今回行われたシンポジウムで特に課題とされたのは、当時、与党幹部が後藤さんの行動を「蛮勇」と表現したことや、シリア取材を計画していたジャーナリストが旅券を返納させられたこと、
そして、それらを少なからぬ世論が支持したことでした。

これについては、ジャーナリズムと市民社会とのつながりが希薄なのではないかとの反省も聞かれました。

「自分がどういう思いで現地へ行き、何を見、感じたか、日本人として、ということの発信をちゃんとしてこなかった」(中東取材30年超 川上泰徳さん)

また、シリアに入った後、行方不明となっているジャーナリストの安田純平さんが、過去の著作で記した一文も紹介されました。

「どうして戦場に行かなければならないのか、彼はこういうふうに書いています。(安田さんの以前の著作より)『戦後60年が過ぎ、戦争を知っている日本人が年々減っていく中で、現場を知る人間が増えることは、空論に踊らないためにも、社会にとって有意義だ』と」(ジン・ネット 高世仁さん)
(2016年1月15日22:56)